4年前に家族でヨーロッパを旅行したときは、
バルセロナから陸路でリヨンを経てパリまで行った。
パリでは、むすめの行きたがった『アメリ』のロケ地、
サン・マルタン運河に行ったんだけど、
最寄りの駅周辺は、ガラの悪そうな男たちが何やら紙片を手に寄ってきたり、
だいぶ物騒な印象の街だった。
それでも運河の周辺は市民の憩いの場所らしく、
ベンチでくつろいだり、エクササイズしたり、
みんな思い思いに過ごしている。
「アメリ」に登場する橋を発見してはしゃいだむすめと私、
うろうろしている間に、ボートが川を下ってくるのに遭遇。
家族で乗船しているらしく、そこんちのママが何かレバーを操作すると、
水門が閉まり、閉鎖された空間の水面がみるみる上昇、
先ほどまでボートのいた水面と段差ができている。
「あっこれ、閘門なんだ!」
しばらくすると水面の高さは進行方向の水面と同じレベルになり、
ボートはスムーズに進んでいった。
ドイツやオランダ、フランスの川は、国際間の交通が可能で、
こんな風にのんびり川を行くクルーズが人気だと聞く。
以前テレビ番組で、フランスの定年カップルが自宅を手放して船を手に入れ、
クルーズしながら各国をめぐるドキュメンタリーを放映しいたのを見て、
素敵だなあと思ったことがある。
パリやロンドンには、河川に係留した船を、
住居として使用している例も多くあるそうだ。
ヨーロッパの人は、川や船に親しんでいるんだなあ。
日本だって、鉄道が開通する以前は、
物流のほとんどは船によるもので、
河川が果たす役割は相当大きかった。
でも、長距離のクルーズを楽しむ文化って、
日本の川にはなかったなあ。
明治期に来日した外国人技師が日本の河川を見て、
「これは川じゃない、滝だ」
と言い放った話は有名で、
やはり流れが速くて短い日本の河川で、
のんびりクルーズは難しいのかなあ。
でも、印旛沼や周辺の河川でボートクルーズに参加したことはあるし、
利根川の下流の「川の駅 さわら」では、
短時間のクルーズならあるらしいから、
そういうのを乗りつぶしていくことからかな。
夢は、銚子から乗船して、遡上できる限界まで、
船でクルーズすることなんだけど……。