子供の頃大好きだった本が今も流通しているらしいと知り、
大喜びで近所の児童書専門店に頼んで取り寄せてもらった。
『スーザンのかくれんぼ』(ルイス・スロボドキン作、やまぬしとしこ訳、偕成社)
「スーザンは、二人の兄さんから逃げ回っていた。
“瓶に入れたクモを見せてあげるよ”と言われていたので。
お母さんや隣のおばさん、芝刈りに来るゲリーさん、
郵便屋さんにも聞いて、隠れ場所を探したけれど、
なかなかいい場所が見つからない。
――ついにスーザンが手に入れたすてきな隠れ家は――?」
という、のんびりほのぼのしたお話。
「誰にも見つからない自分だけの隠れ家を手に入れる」
って、子供の憧れだと思う。
子供だった私もこの本を繰り返し繰り返し読んで、
自分にもこんな隠れ場所がないものか、あちこち探したものだ。
茶の間の隅の茶箪笥の陰とか、
近所の森にある低い枝を伸ばした木とか、
そんな場所で一人でいるのがとても好きだった。
今、ソロキャンプがはやっていて、女性のソロキャンパーも増えているけど、
その気持ちわかるなー。
みんなと過ごすのも楽しいけど、
やっぱり時々は一人になりたいって思うもん。
この一年、ずっと家族の誰かがいる生活だったので、
今少し一人になりたい気持ち。
コロナで家にいる時間が長かった人、
私と同じ気持ちでいるんじゃないかな。
久しぶりにこの絵本を読んで、隠れ家が欲しくなった。