(6)ちょうどいい暮らし

「シンプルライフ」っていう言葉だといろんな定義がありすぎる。
だから私は「ちょうどいい暮らし」という言い方をしている。

余計なモノはないけど、必要なモノは全部あって、
それがすべて、自分にとって使い勝手がよくて、長く使えるもの。

だから、おしゃれなデザインだったり有名ブランドだったりするとは限らないし、
場合によっては人よりたくさん持っていることもあるだろう。
だけど、自分にとってはちょうどいい。

たとえば服なら、最新流行でもハイブランドでもないけど、
自分の体型にピッタリ合って、自分の好きな材質、色、柄、デザイン。
そんな服があったら、毎日そればかり着ると思うから、
逆にそう何着も要らないかもしれない。

そう、「ちょうどいい暮らし」って、オーダーメイドに近い。
フルオーダーなんてそうそうできるものじゃないし、
自分のことがわかっていないとオーダーのしようもない。
だから、「ちょうどいい暮らし」は、「自分のことを知っている暮らし」だと思う。

そして、「ちょうどいい」は刻々と変わる。
成長や老化、家族や住居によっても、しょっちゅう変化する。
そんな変化をよく観察して、それに合わせていかなければならない。
完璧なスタイルを構築して、そこに自分を当てはめていくんじゃなくて、
日々変わっていく自分に合わせて、細かく調整していくことになる。

こんな、人によって全然違う、
その人の中でもどんどん変わっていく暮らしは、
「こんなモノを持てばいいですよ」
「何をいくつ持てば十分ですよ」
とか言えない。
だってその人にしかわからないもの。

「ちょうどいい暮らし」は、人に見せても感心されないかもしれないけど、
とにかく自分が居心地いい。
一生かけて、そんな暮らしを追い続けていくのが、
生活だと思うのです。

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