掃除はあとずさりで

『人気宿泊施設「星野リゾート」の掃除術』
というテレビ番組を見つけたので、例によって録画視聴した。

たくさんある客室をいかに効率的に掃除するか、
という内容で、一般家庭とは少し違うものの、
なるほどフムフムと見ていた。

「決して後戻りせず、一筆書きのように」
という掃除の最後は、
「後ずさりして掃除機をかけながら部屋を出る」。
これは、髪の毛を落としてしまわないためだそう。

気をつけていても、髪の毛は落ちる。
そして、たった一本の髪の毛が落ちていることで、
どんなに丁寧に掃除しても、いっぺんで評価は下がってしまう。
それを防ぐための後ずさりなのだ。

1DKのアパートに住む娘が、
「掃除しても掃除しても、どういうわけか髪の毛が落ちてるのがイヤ。
 もう、ボーナスでルンバ買おうかな!」
とボヤいていたが、
自分一人しかいなくても、髪の毛って落ちるし、
イラっとする。
ましてや他人の髪の毛ならなおさら。

髪の毛に関しては、私も娘と同じ気持ちだけど、
ここでちょっと考える。

この前も、掃除が終わってフローリングモップをいつもの場所(洗面所)に戻し、
くるっと向きを変えた途端、足元に髪の毛を見つけてしまった。
もちろん、自分の。

掃除しながらだって、髪の毛は落ちるのだ。
集まるゴミやホコリの中身は、大部分が髪の毛と脛毛(夫と息子)。
人は、毛をまき散らしながら生きているのだ。

プロだから、髪の毛を落とさぬために後ずさりまでするけど、
我々がそこまで躍起になる必要、あるだろうか。

いいんだよ、自分の家なんだし、自分の毛なんだから。
気になったらつまんで捨てればいいだけのこと。
そんな、のべつ掃除機を転がしてたら、くたびれちゃうよ。

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