クワイエットアワー

最近聞くようになった言葉「クワイエットアワー」。
”音や光に敏感な感覚過敏という症状がある人が過ごしやすいよう店舗や施設の音や照明を調整する時間のこと ”で、私にとっては本当にありがたい変化だ。

自分でも気がつかなかったのだが、
静かに過ごすことの増えたこの数年でわかった。
趣味で音楽もやってきた割に、私は音が苦手なのだ。
音楽も会話も好きだし、都会の騒音も特に不愉快には感じないけれど、
「家電や携帯のアラーム音」
「静かな場所で聞こえてくるけたたましい談笑」
「自分が見ていないテレビの音声」
といった「音」がむやみと癇に障ってしまう。

特に苦手なのが、家電店やスーパー、ドラッグストアで聞こえてくる、
ひっきりなしの広告の音声だ。

「今なら30%オフ!! おトクでしょう~♪」
「気になるシミがみるみる落ちる!」
くどい表現と派手な音楽が、エンドレスでリピートし、
陳列棚に置かれたモニターからピカピカ光る映像が流れ続ける売り場には、
なるべく近づきたくないし、一刻も早く逃れたい。
あそこで働いている人たちが気の毒でならない。

そんなことを人に言うと、
「何を言ってるんだろうこの人」
という顔をされてしまう。
みんなはイヤじゃないの!?

こんな、どうでもいい「音」を無駄に拾ってしまうタイプの人は私だけではなかったようで、
おかげでこの「クワイエットアワー」のような取組みが広がりつつあるらしい。

「音」は私たちを疲れさせる。
コンビニでも、カフェでも、およそ商業空間と名のつく場所には、
必ずといっていいほど流されるBGMだって例外じゃない。
どうして、空間に音を満たすことが「サービス」だと思われているのだろう。
昔から、いつも不思議に思っていた。

たまにでいい。空白の時間がほしい。
脳に勝手に侵入する「音」を止めてほしい。
そんな希望が少し、かなった気がしてありがたい。

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