カニ釣った(釣ったというか)

「カニ釣りたい」
と思い始めて一週間、今週その希望が叶った。

まずは、カニがいそうな岸壁を下見に行き、いることを確認する。
カニといっても小さなイソガニだけど、私には十分。
それからはカニの釣り方を人に聴いたり、せっせとググったり。

本格的にやるなら、夜がいいらしいけど、怖いからそれはムリ。
掃除用の蓋つきバケツ、軍手、割りばしとタコ糸、
百均で手に入れた魚掴み用のトングと、
金魚鉢の手入れをするための小さな網。
使えそうな道具を集め、昼ひなかに現場に行ってみた。

人の姿もまれな海辺は、
一直線のコンクリート護岸が続く。
遠く海上にはカラフルなコンテナを積んだタンカー、
自然の海岸なんか一かけらもない、テトラポッドの海。
でも、のぞきこむと、あそこにもここにも、いるいる!

ザリガニ釣りの要領でタコ糸にサキイカを結び付けて垂らしてみるが、
テトラポッドに打ち付ける波に揺られて、位置が定まらない。
寄ってきたカニの鼻先(鼻?)に寄せても、
まったく食いつかないし、関心がないみたい。
たぶんこれ、時間かけてもダメだわ。

テトラポッドに続く人工の岩礁を移動しながら、
今度は素手で掴めないかやってみる。
足場は悪いし、カニは思ったよりはるかに敏捷で、
私の影を認識するや、すごい速さで狭い岩の隙間に引っ込んでしまう。

釣れないし、掴めない。
たくさんいるし、見えてるのにな~。

移動しているうちに、潮が満ちてきて、
岸壁のフチまで海水が迫ってきた。
仕方なく通路を歩いていると、
垂直の岸壁と岩の隙間に、カニが折り重なっているのが見えた。

バケツに突っ込んだ金魚すくい用の網をすき間に差し込み、
素早く持ち上げると、
数匹のカニが入っている!

急いでバケツに放り込み、海水を満たす。
やった! 釣れないけど、掬えた!

そこからは順調にカニを掬っていく。
掬ったカニを網からはずすのに、百均のトングが大活躍した。
サワガニくらいの小ささだけど、
楽しいったらない!

あんまりたくさん獲れても仕方ないので、ほどほどにして帰る。
本物の釣り人が時々通りかかるけど、
なんとなく胸を張ってすれ違ってしまう。

帰ったら、ペットボトルを切って作った容器に海水とカニを二匹入れ、
お隣の保育園に通うチビちゃん兄弟に進呈した。
迷惑かもしれないけど、見てほしかったから。

残りは生きたまま揚げて、塩を振って食べてみた。
ハサミが硬いけど、味はまあまあ。
念願かなって大満足の一日だった。

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